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2019.10.18 

「自らの目で見て聴いて触れて生かそう」


松江市町内会・自治会連合会 副会長 松本 光弘

 

「百聞は一見に如かず」とはよく言ったものだ。呉市内に拡がる惨状を見聞きしての率直な感想である。私だけであろうか?平成30年7月の豪雨災害で岡山の真備町のニュースがまず飛び込んで来た。ところが、呉市については国道の決壊があったと言う認識にとどまっていたのだ。この度の視察研修の中心はこの呉市にさせて頂いていたのだが(確かに岡山の真備町はまだ復興途上であるので視察受入どころではない)、ここまでの被災状況を誰が想像していただろう。もちろん比較をすれば真備町の比ではないが、その圧倒的なニュースにうずもれていたのだ。いずれにせよ、今回の視察を通して私たちも少しでも防災意識が高められ、これから起こるかも知れないあらゆる災害に備えて行きたいとは皆共通意識なのだが。
呉市で甚大な被害を被った天応地区、犠牲になられた方は12名。(呉市全体では28名)家屋等の被害は、全壊から床下浸水まで、なんと595件に上る。呉の大動脈、県道、国道に続きクレアラインも通行不能となり天応地区は孤立状態となった。
呉市役所に到着し、まず見せて頂いたのは罹災後数日経過した罹災現場のドローンによる撮影の記録であった。優雅に飛行するドローンとは反対に、眼下に拡がる大画面に映し出される壊滅的な惨状に思わず息を飲んだ。「酷い。いったいどうしたことだ。・・・知らなかった」というのが率直な印象だ。被害がこんなに深刻に拡がったのは、土石流が一気に発生し、土石や流木が川底を塞いだためだという。また、人的被害が拡大した一因は「まさかこんなに大きな被害になるとは?」という認識の甘さにあった。こんなに急に土砂が流れ込んでくるとは思わなかったと。罹災された住民のお一人が今訴えておられた。「まさかの避難、空振りの避難を恐れないでください」と。本当にそうだと私たちは皆痛感した。
今回の視察は呉市のほか、未だ防災工事の続く5年前の広島土砂災害現場、中国電力本社の中央給電指令所そして、新しくなった平和記念公園と、いずれも、実際に見聞きして改めて考えさせられるものばかりであった。

 

呉市自治会連合会への視察

広島土砂災害現場の視察

広島土砂災害現場の視察

中央給電指令所の視察