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2020.01.30 

「住民主体が地域を救う」


松江市町内会・自治会連合会 副会長 松本 光弘

 

視察研修プロジェクト会議の中から、小規模視察研修の視察先について検討を重ねるも、地域で抱えている課題として「買物弱者や交通弱者の支援」が多数挙がってきた。
今回はこうしたことに先進的に取り組んでいる広島県の「神石高原町」と安来市の「えーひだカンパニー」を視察した。その取り組みの概要の一部をここに紹介したい。
まず、神石高原町であるが、約4,000世帯の集落が山なみに点在し、隣の家まで遠く、10戸未満の小規模・高齢化集落が多い。これだけ聞けばその困難さが伝わってくるのだが、今回説明をして下さった町役場の町づくり推進課長さんからは後ろ向きの姿勢は微塵も見られなかった。地元自治会や消防団などの活動も給与の一部だと位置づけて取り組んでいる。そして、この町のユニークな取り組みとして、(株)ローソンと連携して道の駅にコンビニを開設し官民連携で運営しているところだ。これは日本初の取り組みだ。買い物の有無にかかわらず安否確認もしている。地域の発展は地元住民の手でという住民主体による参画と工夫が際立っていた。


島根県安来市の比田地区の「えーひだカンパニー(株)」の取り組みも住民主体だ。放っておくと消滅の危機にある集落が今は注目を集めている。人口1,084人の小さな過疎の地域であるが、まず活性化プロジェクトを立ち上げ、どのような地域にしたいのかというビジョンをまず掲げた。そんな中から株式会社を設立した。そのことによりこの活動が若い者たちにも受け継がれるという。補助金やボランティアに頼らず「利益を生み出す事業」として、地域づくりを行政任せにしない「自治機能」、自治機能を可能にするための「生産機能」をもった取り組みである。研修の後、地元産小麦100%で作られたラーメンの販売があったが次々と売れていった。
今回の研修のキーワードは、「住民主体」と言える。松江のすべての地区で同じようにはできないものの、まずは自治についての取り組む姿勢に学びたい。

デマンド交通を担う車両